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#01 流す? 流さない!?
お風呂の入り方
  ジャズピアニスト後藤 小百合さん
わが配偶者の仕事は、日本式の給湯器をアメリカで売ることである。彼は4年前、給湯器市場をアメリカに広げるべく、日本からやってきた。(ちなみに、我々家族は金魚の糞のように彼にくっついてきた。)驚いたことに、アメリカには日本では当たり前となったコンピューター制御付きの瞬間湯沸し機タイプの給湯器は存在しない。あったのは、日本で、昔見かけた貯湯式ボイラー(でっかいタンクにお湯を貯めて、使わない時も、冷めると沸かしておくタイプ。今日本では、このタイプの物はほとんど使われなくなっている)であった。
ビックリしたと同時に私にいくつかの疑問が沸き起こった。アメリカは、世界の最先端を行っているはずではなかったのか? なぜ、こんな旧式のボイラーを使っているんだろう。しかし、すぐに答えが出てきたのである。アメリカは、世界のどの国よりも速く近代国家として様々な技術革新を成し遂げたが、以後、それ以上の技術は生み出されていない。ボイラーも数十年前、貯湯式が発明されて以後、何の工夫もされず人々はそれに何の疑問も持たず使っているのだ。
アメリカは、最新技術の国である。国連をリードし、世界の平和を守り、宇宙ロケットを飛ばすと、誰でもが思っている。これは紛れも無い事実である。しかし、事実は小説より奇なり。実際の所は、生活必需品の良し悪など、色んな面で日本の技術の方が断然進んでいると思われる。
写真
さて、お風呂の話。我が家の主寝室のお風呂は、バスタブ(浴槽)とシャワー室が、別々になっている。シャワー室には、囲いがあるが、バスタブの周りは、絨毯。バチャバチャすれば、お湯がこぼれ、絨毯はびしょ濡れ。厄介なことこの上ない。おまけに、シャワーを浴びてから浴槽に浸かろうとすると、移動の際、またまた、びしょ濡れになる。なぜ、アメリカの住宅はこんな不親切な設計になっているのだろう? 彼らは、普段、シャワーしか浴びないのだろうか? めったに浴槽に浸からないから、あまり濡れることにこだわらないのだろうか?
写真 アメリカ生まれの日系二世の知り合いに尋ねたところ、「彼らは、お風呂に浸かる時には、シャワーを浴びたりしないんだよ。」と、簡単に言われてしまった。「でも、映画などで泡が一杯のお風呂に入っているシーンを良く見るけど、あの泡を流す時、シャワーを浴びないの? あの泡をどうするの? 流さないの?」と、またしつこく聞く私を、友人は、怪訝そうに見ていたが、「タオルで泡のまま拭いて終り。シャワーで流したりはしない。シャワーを浴びたら、浴槽には浸からない。浴槽に浸かったら、シャワーを浴びない。シャワーとバスは、別々なの」と、こともなげに言ってのけたのであった。
なんとまあ、所変われば、お風呂の入り方も違う。当たり前のことであるが、泡をタオルで拭いてしまうとは! しばし絶句した私なのでした。

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