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Index
#01 写真家
風間 トシさん
#02 ピアニスト
鳥養 潮さん
#03 彫刻家 
平塚 ケンさん
#04 シュー・デザイナー
東・たか子さん
#05 画家
HIROYAさん
#06 ブライダル・オートクチュール・デザイナー
吉岡 順子さん
#07 創作舞踊家
橋本 真奈さん
#08 フィナンシャルプランナー
江波戸 操吉さん
#09 ブロードウェイ女優
玉置 康子さん
#10 ニューヨーク州弁護士
山本 貴子さん
#11 ジャズピアニスト
後藤 小百合さん
#12 イラストレーター
橋本 純一さん
 
ニューヨーク在住の日本人は10万人を超えると言われている。これだけの日本人が、この地で、それぞれの人生を営んでいるが、NYだからこそ、活躍ができた人々がいる。
米国大手放送網ABCやNBCでさえ、撮影許可の下りない写真を撮っている一人の日本人がいる。トシ・カザマさん、滞米27年になる写真家だ。少年犯罪の死刑囚を撮り続ける。現在米国38州で、少年犯罪でも死刑が執行され、今もなお67人の殺人犯が死刑執行を待っている。全米各地の刑務所に出向き、死刑を待つ10代の少年、少女に会い、撮影する。刑務所からの撮影許可が下りるまで6カ月もかかったアラバマ州のようなケースもあり、時間を必要とする仕事でもある。死刑囚、被害者、犯罪現場、刑務所、死刑執行現場、死刑器具など、犯罪を多面的に捉えて、11X14の大型カメラに収める。
写真
等身大に引き伸ばされたモノトーンの少年死刑囚には、人間的なぬくもりを感じてしまう。カラー写真でない生々しさがないだけに、写実を越えた作者カザマさんのメッセージが強く刻まれる。「15歳で、この国に来て、戸惑ったのは命に対しての人々の反応。映画でも悪い奴が殺されると拍手が起こる。罪を犯しても人間、もっと命を尊ぶべきではないか」。そして、少年刑務所を訪れるうちに「この国では、命に対して値段がある。マイノリティーで、しかも貧しければ命はもっと安くなる。弁護士を雇えたら死刑にならないのに」。
刑務所へ撮影に行く前日、緊張で眠れないという。死刑囚の家族でも生きているうちは、ガラス越しでしか会うことができない。冷たくなって、初めてキスも抱擁も許される。だが、許可を得た撮影者であるカザマさんは、それができる。一般の人との面会、受刑者はカザマさんの訪問を心待ちにしている。刑務所のドアーが開くとき、カザマさんは「空気が微笑む」のを感じる。
死刑の方法はさまざまだ。首吊り、電気椅子、注射、ガス、州によっては死刑囚が選択できるところもある。「イエローママ」と呼ばれる電気椅子は、その名のとおり黄色いが、カザマさんが腰掛けてみたら、「不思議と抱かれるような」安心感があった。実際現場に出かけた人間でなければわかない世界が広がる。
写真 面会後、死刑囚から手紙が届く。死刑を受け入れ、人生を達観した10代とも思えない手紙に涙することもある。死刑執行を見守ってほしいといわれたこともあるが、それをTV局が聞きつけ、カザマさんへの取材が殺到したことから、死刑の目撃者を辞退した。4年半かけて20人を撮影。冤罪が分かり無実になったケースも2例あるが、すでに死刑が執行されてしまった人もいる。撮影した等身大の白黒写真を全米各地の大学、高校へと巡回して歩く。
「ギャラリーだけでなく、直接会って若い人に命の大切さを広めたい」。だから頼まれれば、実費だけで、講演に出かけていくことも多い。カザマさんが淡々と語る死刑囚の人生を知ることで、ちょっとした契機で、人生が狂うことに気付かされる。

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